男性でも美容部員はなれる?知っておくべきことやメリットも紹介

美容部員に興味があるものの、男性でも採用されるのか疑問を抱く方は多いのではないでしょうか。以前は美容部員のほとんどが女性でしたが、最近は店頭で活躍する男性の美容部員も増えています。 今回は、男性の美容部員が求められる理由や男性の美容部員ならではのメリット、美容部員になる際に知っておきたいことを紹介します。


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男性でも美容部員になることは可能?

女性と同じように、男性も美容部員として就職することが可能です。

化粧品メーカーが美容部員を採用する際に性別で差別することは禁じられているため、男性も応募資格があります。また、仕事内容も性別によって変わることはありません。

百貨店や化粧品専門店、ドラッグストアなどで勤務し、お客様の肌悩みをヒアリングしたり、タッチアップを通じて化粧品を販売したりするのが主な業務内容です。

美容部員はお客様との会話を通じて化粧品を提案するサービス業であることから、性別よりもコミュニケーション能力や共感能力、化粧品の知識が求められます。そのため、採用試験で美容部員の適性があると見なされれば、男性でも問題なく美容部員になれます。

なお、美容部員の詳しい仕事内容や給与面の事情については、下記の記事で紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

美容部員の仕事内容とは?給料や研修内容、やりがいについて紹介

男性の美容部員が求められる理由

以前は美容部員のほとんどが女性でしたが、最近では男性美容市場が急成長していることから男性の美容部員のニーズが高まっています。ここでは、男性の美容部員が求められる理由を2つ紹介します。

メンズ向けの化粧品が増加傾向にあるため

男性の美容意識の向上やジェンダーレス化にともない、近年はメンズコスメ市場が伸び続けています。株式会社インテージによると、男性化粧品の市場規模は2017年~2022年の5年間で約1.5倍の376億円にまで増加していることがわかっています。

化粧水や乳液といったスキンケアアイテムはもちろん、下地やフェイスパウダー、アイブロウなどのメーキャップ化粧品も人気が高まっており、メンズコスメ市場はさらなる拡大が予想されるでしょう。

なお、肌質や化粧品の使用場面は男性と女性で異なるため、男性向けコスメ・女性向けコスメの商品設定にも違いがあります。メンズコスメに関しては、お客様と同じ視点に立てる男性の美容部員のほうが適切なアドバイスができます。

以上のことから、今後はメンズ向け化粧品の増加とともに、男性美容部員が活躍する場もさらに増えていく見込みです。

出典:株式会社インテージ「ポストコロナでも成長を続ける男性化粧品市場

美容に関心をもつ男性が増えているため

近年はSNSや動画サイトなどでの自己発信が広まり、男性も自分の容姿に対する意識が高まっています。また、コロナ禍でのオンライン会議やスマートフォンの利用などで画面に写る自分の顔を見る機会が増えたことも、美容への関心が高まった要因のひとつと考えられます。

実際に、メンズ専用脱毛クリニックのメンズエミナルによる調査でも、20~30代の男性1,007名のうち約60%が「美容に興味がある」と回答しました。

また、株式会社アイスタイルの調査においても、男性のスキンケアを許容している女性は9割以上、男性のメイクアップを許容している女性は約7割にも上っていることがわかっています。メンズコスメに対する女性の理解が進んでいることも後押しになり、男性が化粧品を使用する心理的ハードルが下がってきています。

実際に百貨店や化粧品専門店のコスメ売り場に男性客が来店する機会も増えており、男性の美容部員が活躍する場が広がっているのです。

出典:
メンズエミナルクリニック「メンズ美容に対する意識調査
株式会社アイスタイル「@cosme 女性のメンズビューティ受容に関するアンケート調査結果

男性の美容部員ならではのメリット

メンズコスメの需要が高まっている近年は、男性の美容部員だからこそ、お客様に喜んでもらえる場面も多数あります。ここでは、男性の美容部員ならではのメリットを2つ紹介します。

男性ユーザーの多いブランドで喜ばれる

最近は男性向け化粧品を扱うメーカーが増えているだけでなく、メンズコスメ専門のメーカーやブランドも多くなっています。メンズコスメは男性の肌質や使用シーンに合わせて開発されているため、商品のメリットを同性目線で紹介できるのが男性の美容部員の強みです。

店内の美容部員が全員女性だと男性のお客様は入店しづらいと感じてしまいますが、男性の美容部員がいれば入店のハードルが一気に下がります。女性の美容部員だと緊張してしまう方や肌悩みを相談するのが恥ずかしいと感じる方も、同性の美容部員なら気兼ねなく話せるでしょう。

男性の美容部員ならではの視点で同性のお客様に適切なアドバイスができるため、メンズコスメ専門のメーカーやブランドは男性の美容部員を積極採用していることもあります。

男性目線でメイクの提案ができる

女性向け化粧品の販売においても、男性の美容部員なら異性目線でメイクの提案が可能です。

女性が可愛いと感じるメイクと、男性が可愛いと感じるメイクは異なることがあります。
だからこそ、彼氏受けの良いメイクや恋活や婚活で好印象を与えるメイクを知りたい女性にとって、異性目線でアドバイスしてもらえる男性の美容部員は心強い存在です。

また、男性にスキンケア用品や化粧品をプレゼントしたい女性のお客様に対しても、男性目線で相談に応じられるのは大きな強みです。肌質や化粧品を使うシーンは男女で異なるため、恋人や旦那さんに贈るコスメの相談も、男性の美容部員のほうが的確なアドバイスができるでしょう。

男性が美容部員になる際に知っておきたいこと

男性の美容部員が増えてきているとはいえ、男女比で見ればまだまだ女性が圧倒的に多いのが現状です。

ここでは、美容部員を目指す男性が事前に知っておきたいことを2つ紹介します。

女性が多い職場で働くことになる

美容部員の大半が女性のため、女性中心の環境で働くことになります。同僚に男性がいないこともあるため、女性の着替えやメイク直しなどの場面で気を遣うことも多いでしょう。また、女性とのコミュニケーションが上手くとれなかったり職場に馴染めかったりすると、居心地が悪くなってしまうかもしれません。

最初は女性だらけの職場に戸惑うことがあるかもしれませんが、性別にかかわらず誰とでも分け隔てなく接していれば、少しずつ打ち解けられるでしょう。

美容部員の仕事は、華やかな店頭からは見えない裏方作業もたくさんあります。商品の検品や陳列、納品作業では大量の化粧品を運ぶため、意外と力仕事も多くなっています。男性だからこそ頼りにされる場面もあるため、女性社員と助け合いながら信頼関係を築いていきましょう。

女性のお客様に接客することが多い

百貨店や化粧品専門店でスキンケア用品や化粧品を購入したり、カウンセリングやタッチアップを受けたりするお客様は、依然として女性が多いです。女性のお客様のなかには、男性の美容部員に肌悩みを相談しにくいと感じる方もいます。

特に、お客様の肌に直接触れるタッチアップの際は「男性にメイクされるのは抵抗がある」「女性のスタッフに代わってほしい」とすることもあります。性別を理由にスタッフの変更を求められても落ち込む必要はありません。お客様の気持ちに寄り添った最大限の配慮が必要です。

逆に、男性の美容部員だからこそ喜んでもらえる場面もあるため、女性の美容部員とフォローし合いながら臨機応変に対応しましょう。

まとめ

近年は美容に関心を持つ男性が増えており、男性向けのスキンケア用品やコスメの市場も拡大しています。だからこそ、男性のお客様への共感力が高く的確なアドバイスができる男性美容部員の需要も高まっています。

ただし、美容部員は依然として女性が多い仕事のため、職場の同僚とうまくコミュニケーションをとってフォローし合う姿勢が大切です。

男性ならではの強みを最大限に活かし、華やかなコスメカウンターで活躍する美容部員を目指してみてはいかがでしょうか。