エステティシャンに必要なスキル
エステティシャンとして活躍するためには、技術はもちろんのこと、そのほかにも幅広いスキルを身に付ける必要があります。
具体的には、美容に関する深い知識、施術技術、そしてお客様との信頼関係を築く接客スキルが必要です。それぞれのスキルをバランス良く習得し、自分の強みとして活かしていきましょう。
美容の知識
美容に関する知識は、エステティシャンを目指す上で必要な要素です。例えば、スキンケアやメイクの知識だけでなく、筋肉やツボなど人体の構造、肌の構造を理解することで、より効果的な施術が可能になります。
また、美容業界は常に新しい情報が生まれるため、最新トレンドや技術を学ぶ姿勢も欠かせません。
施術に必要な技術
エステティシャンには、手技や美容機器を正確に扱う技術が求められます。特に、施術技術は実践を通じて習得する必要があるため、家族や友人に協力をお願いして練習を積み重ねることが有効です。
さらに、美容知識と技術を組み合わせることで、より満足度の高いサービスを提供できます。
接客スキル
お客様とのカウンセリングや悩みを聞き出すためのコミュニケーション能力は、エステティシャンにとっての重要なスキルです。特に、親身になって話を聞きながら適切なアドバイスや提案ができる能力が求められます。
お客様に安心感を与えられる接客スキルを磨くことで、リピートや紹介につながる信頼関係を築けるでしょう。
エステティシャンのスキルを身に付けるための勉強方法
エステティシャンを目指すためには、知識と技術の両方を身に付けることが重要です。これを実現するためには、いくつかの学び方が存在します。
ここでは、それぞれの特徴やメリットを詳しく解説します。
美容専門学校に通う
美容専門学校は、エステティシャンを目指す方にとって最も一般的な進路のひとつです。約2年間のカリキュラムで、美容に関する基礎知識から応用技術まで幅広く学びます。
学費は昼間課程の場合、2年間で約200万円～300万円と高額ですが、その分、充実した環境で学べる点が魅力です。専門設備やプロの講師から指導を受けることができ、即戦力として活躍できるスキルを磨けます。
さらに、国家資格である「美容師免許」の受験資格を得られるため、資格を取得しやすく、就職活動でも大きな武器となります。将来、エステサロンを開業したいと考えている方にもおすすめの進路です。
美容専門学校については、下記の記事で詳しく解説しています。「美容専門学校の選び方｜自分の夢を叶えるためには」
養成スクールに通う
養成スクールは、短期間で実践的な技術を習得したい方に向いています。期間は3～6か月程度で、フェイシャルやボディケア、アロマテラピーなどの専門技術を集中的に学べます。
また、コースによっては資格取得を目指すプログラムも含まれており、受講者のニーズに合わせた学びが可能です。短期間で即戦力を身に付けられるため、早く業界に入りたい方や、働きながら学びたい方に適した選択肢です。
エステティシャンを目指せる高校に通う
エステティシャンを目指せるコースがある高校では、高校課程のうちから専門的な知識や技術を学ぶことができます。例えば、美容に特化したコースでは、解剖学や皮膚科学などの基礎知識とともに、実践的なエステ技術も習得可能です。
さらに、高校卒業資格を取得しながら学べるため、最短ルートでエステティシャンを目指せるのが大きなメリットです。ただし、こうした学校は全国的に数が少なく、通える地域が限られている場合もあります。
通信講座を受講する
通信講座は、仕事や学業と両立しながらエステティシャンを目指したい方に適した方法です。自宅でのオンライン学習を中心に進められるため、自分のペースで勉強を進めることが可能です。
多くの通信講座では資格取得を目指すコースが用意されており、週に1回程度の実技指導を受けられる機会も設けられています。場所や時間に縛られずに学べるため、特に働きながらキャリアチェンジを考えている方におすすめです。
独学で勉強する
独学は、費用を抑えながらエステティシャンを目指すことができる方法です。美容関連の書籍や動画を活用して理論を学び、実務経験を積みながら技術を磨いていきます。
ただし、独学で認定エステティシャンの資格を取得するには、1年以上の実務経験が必要です。そのため、サロンでのアルバイトや見習いとして働きながら学ぶことが重要です。
自分で計画を立てて実行できる自主性が求められるものの、コストパフォーマンスに優れた方法といえます。
エステティシャンにおすすめの資格
エステティシャンを目指す10代の学生でも取得可能な資格があります。これらの資格を取得してエステティシャンとしての専門的な知識や技術を身に付けることで、キャリアをスタートさせる大きな助けとなるでしょう。
ビューティセラピスト（日本スパ・ウエルネス協会）
日本スパ・ウエルネス協会とは、2005年に東京都の認可を受けた特定非営利活動法人で、エステティック関連の資格として「ビューティセラピスト」の資格を提供しています。
この資格は、フェイシャルケア、ボディケア、脱毛、メイクアップ、ネイルケアといった総合的なエステティックの知識、技術はもちろんのこと、信頼されるサービスマナーを持ち合わせた上級セラピストとして付与されます。
■受験資格
・「エステティシャン指針」に準拠した約300時間以上のカリキュラム修了
・登録養成校での技術試験合格
・エステティシャンセンター試験（※）筆記試験合格
AEA認定エステティシャン（一般社団法人日本エステティック業協会）
AEA認定エステティシャン資格は、エステティック業界での専門的な知識と技術を証明する資格で、信頼性が高まり就職やキャリアアップにもつながります。
■資格取得条件
1. AEA認定校で学習する
2. エステティックサロンなどで実務経験を積む
※いずれかを満たす必要があります。
■試験内容
・筆記試験：解剖生理学、皮膚科学、エステティック理論、衛生管理、接客マナーなど基礎知識を問う試験
・実技試験：フェイシャルやボディケアなど実際の施術に必要な技術を試される
AJESTHE認定エステティシャン（一般社団法人日本エステティック協会）
AJESTHE認定エステティシャン資格は、エステティック業界での専門性を証明する資格です。この資格を取得すると、エステサロンや美容業界での信用を得ることが可能です。
■資格取得条件
1. エステティシャンセンター試験（※）に合格
2. 協会認定校での300時間以上のコース修了、または実務経験1年以上
■試験内容
・技術試験：フェイシャルやボディの手技のみを確認する試験
・筆記試験：4肢択一方式で基礎知識を問う内容
スキンケアマイスター（一般社団法人日本コスメティック協会）
スキンケアマイスター資格は、美容の総合的な知識を学べる資格で、エステや化粧品、サプリメントについて深く知ることができます。誰でも受験可能で、Web試験にも対応しており、手軽に取得を目指せます。
リンパケアセラピスト（日本メディカル心理セラピー協会）
リンパケアセラピスト資格は、リンパの流れを促進し、健康や美容に貢献する技術を持つことを証明する資格です。
■試験内容
・リンパの流れを良くする食事や食材の知識
・リンパと自律神経の関係についての理解 など
※エステティシャンセンター試験：エステティシャンの知識と技術のレベルを審査する、日本エステティック試験センター（JEEC）主催の試験
まとめ
エステティシャンとして活躍するためには、美容知識をはじめ、肌や身体の仕組みに関する知識、 技術力、接客スキルをバランス良く高めることが重要です。美容専門学校や養成スクール、独学など、自分に合った学び方で学習し、専門資格を取得するなどして、キャリアの幅を広げていきましょう。
エステティシャンを目指している方は、下記の記事もぜひチェックしてみてください。
「エステティシャンになるには｜必要な資格や年収、通うべき学校まで紹介」