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フリーランスアイリストの働き方の種類
フリーランスのアイリストとして働く方法は主に3種類あります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを詳しくみていきましょう。
業務委託で働く
業務委託とは、サロンと雇用関係を結ばずに、独立した事業者として契約を結び働く形態です。サロンのブースや設備を借りて施術を行い、売上の一部をサロンに支払います。
業務委託で働くメリット
業務委託の最大のメリットは、収入アップが期待できる点です。正社員やアルバイトよりも高収入を目指しやすく、売上に応じて一定の歩合(通常40~60%)が支払われる仕組みになっています。
また、自分でシフトを決められる柔軟性も大きな魅力です。「今月はしっかり稼ぎたいから多めに働きたい」「来週は予定があるから休みたい」といったように、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。
さらに、掃除や在庫管理などの雑務が基本的にないため、施術に集中できるのもメリットです。時間を効率良く使えるため、自分の技術を磨いたり、施術件数を増やしたりすることにもつながります。
業務委託で働くデメリット
業務委託は完全歩合制のため、給与の保証がないというリスクがあります。お客様がつかなければ収入はゼロになることもあるでしょう。特に始めたばかりの時期や閑散期は収入が不安定になりがちです。
また、福利厚生がないことも大きなデメリットです。有給休暇や社会保険、従業員割引などの待遇はありません。休めば収入がなくなるだけでなく、健康保険や年金なども自分で手続きして支払う必要があります。
さらに、契約解除されるリスクもあります。サロン側の経営状況や方針変更により、突然契約が終了する可能性も否定できません。その場合、再度契約先を探す必要があり、決まるまでは収入がなくなってしまいます。
シェアサロンで働く
シェアサロンとは、複数のアイリストがひとつのサロンスペースを共有して使用するシステムです。各自が時間単位や日単位でスペースを借り、独立した事業として施術を行います。
シェアサロンで働くメリット
シェアサロンの最大のメリットは高い還元率です。業務委託の場合、売上の40~60%程度しか手元に残りませんが、シェアサロンでは基本的に売上のすべてが自分の収入となります(ただし、サロン利用料は別途必要です)。
また、独立開業するよりも低コストで始められることも大きな魅力です。自分でサロンを開業する場合、内装工事や設備投資など数百万円の初期費用がかかりますが、シェアサロンなら最小限の費用で始められます。
さらに、働く場所も時間も自由に選べます。「月曜日はAサロン、木曜日はBサロン」など、複数のシェアサロンを使い分けることも可能です。自分の都合に合わせた柔軟な働き方が実現できます。
シェアサロンで働くデメリット
シェアサロンで働くデメリットは、集客を完全に自分で行わなければならないという大きな課題があることです。サロン側からの集客サポートはほとんどないため、SNSやホームページなど自分で集客経路を確立しなければなりません。
また、施術に必要な道具や薬剤も自分で用意する必要があります。これらの仕入れや在庫管理もすべて自己責任で行うことになり、初期投資や継続的なコストが必要です。
さらに、人気のシェアサロンは予約が取りにくいという問題もあります。良い立地の人気サロンほど予約が埋まりやすく、希望の時間に働けない場合もあるでしょう。
面貸しで働く
面貸しとは、既存のサロンの一部のスペース(面)を借りて、独立した事業として施術を行う形態です。シェアサロンに似ていますが、通常は特定のサロンと契約を結びます。
面貸しで働くメリット
面貸しの大きなメリットは、シェアサロンよりも集客が安定しやすい点です。既存サロンの顧客基盤を活用できる場合が多く、主にリピーターが利用することで安定した収入が期待できます。
また、サロンの備品を使用できることも魅力です。シェアサロンでは自前で用意する必要がある設備や備品の一部を、サロン側が提供してくれる場合があります。
シェアサロンと同様に還元率が高いことも大きなメリットです。売上から場所代を差し引いた金額がそのまま収入となるため、業務委託よりも手取りが多くなる可能性があります。
面貸しで働くデメリット
面貸しで働く場合、集客や予約管理は基本的に自分で行わなければなりません。サロンによってはホームページでの紹介など一部サポートがある場合もありますが、基本的には自己集客が必要です。
また、お客様からはサロンのスタッフとして認識されがちな点にも注意が必要です。独立した事業者であるという立場が曖昧になり、サロンとのトラブルの原因になることもあるので注意が必要です。
フリーランスアイリストの収入は?
フリーランスアイリストの収入は働き方や地域、技術力、集客力によって大きく異なりますが、一般的な目安を紹介します。
業務委託の場合、年収約300万円以上を目指すことができます。特に東京や大阪などの都市部では、需要が多いため360~600万円の年収も十分可能です。一日に施術できる人数や単価によっても変わりますが、月25日働いた場合、月収25~50万円程度が一般的です。
面貸しやシェアサロンの場合、業務委託よりも還元率が高いため、年収は400万円以上になることも珍しくありません。ただし、集客力や技術力がより重要になります。自己集客がしっかりできて、リピーターを確保できれば、月収40~60万円も夢ではありません。
ただし、これらの金額はあくまで売上であり、実際の手取りは経費や税金を差し引いた金額になることを覚えておきましょう。特に面貸しやシェアサロンでは、場所代や材料費、広告費などの経費がかかります。
アイリストの年収について、下記記事にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
「アイリストの年収ってどれくらい?働き方別にざっくり解説」
フリーランスアイリストに向いているのはどんな人 ?
フリーランスのアイリストとして成功するには、技術力だけでなく、さまざまな資質が必要です。誰もがフリーランスに向いているわけではありません。ここでは、フリーランスアイリストに向いている人の特徴を解説します。
マネジメント管理ができる人
フリーランスアイリストには、さまざまな管理能力が求められます。まずはお金の管理です。収入や支出の記録、確定申告、税金の納付など、自分でしっかりと財務管理ができる必要があります。お金の管理が大雑把な人は、後々トラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
また、予約の管理や薬剤の在庫管理、補充なども自分で行わなければなりません。「あれ、まつげの在庫が足りない……!」といった状況になると、お客様に迷惑をかけることになります。計画的に在庫を管理し、必要なものを適切なタイミングで補充できる能力が必要です。
さらに、自身の健康管理も非常に重要です。会社員と違って病気や怪我で休むと即収入減につながります。体調管理を徹底し、長く働き続けられる環境を自分で整えることができる方がフリーランスに向いています。
自分のペースで働きたい人
フリーランスの最大の魅力は、自分のペースで働けることです。家事・育児との両立を図りたい人は、子どもの学校行事や急な発熱などにも柔軟に対応できるフリーランスが向いているでしょう。「子どもが小さいうちは週3日だけ働いて、成長したら徐々に日数を増やす」といった働き方も可能です。
また、資格取得など学業にも力を入れたい人にもフリーランスはおすすめです。「月曜日は専門学校、火曜〜金曜は施術」というように、学びと仕事を両立させやすい環境が整います。
趣味のための時間を大事にしたい人や、長期間旅行に行きたい人など、仕事以外のことにも自由に活動したい人にもフリーランスは向いています。「来月は2週間海外旅行に行くから、今月はたくさん働いておこう」といった自由な働き方が可能です。
独立する資金がない人
将来的には自分のサロンを持ちたいけれど、まだ独立するための資金が十分でないという人にもフリーランスはおすすめです。フリーランスとして働きながら、独立のための資金を貯めることができます。
また、単に収入を増やしたいと考えている人にもフリーランスは向いています。会社員のように固定給ではなく、頑張った分だけ収入が増えるのがフリーランスの特徴です。自分の技術や集客力を高めることで、収入アップを目指せるでしょう。
さらに、成果が直接収入に反映されるため、モチベーションも維持しやすいという利点があります。「今月はあと5人お客様が増えれば目標達成」といった具体的な目標を立てやすく、自分の成長を実感しながら働くことができます。
まとめ
フリーランスアイリストの働き方は、業務委託、シェアサロン、面貸しの3種類です。業務委託は高収入と自由なシフトが魅力ですが収入は不安定、シェアサロンと面貸しは還元率が高いものの自己集客が必要です。年収は300〜600万円以上も可能で、自己管理能力の高さや自分のペースで働きたい方に向いています。自分の目標やライフスタイルに合わせた働き方を選び、キャリアを築いていきましょう。