美容師は離職率が高い?その原因と美容師経験が活かせる仕事

美容師の仕事に憧れているけれど、離職率が高いと聞いて不安に思う方は多いのではないでしょうか。実際に働く前に、美容師の仕事のマイナス面やリアルな実情も知っておきたいですよね。 今回は、美容師の離職率が高い原因、長く働くための心構えや向いている人の特徴などをご紹介します。


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美容師の離職率が高い3つの原因

美容師の仕事のデメリットも交えながら離職率が高い原因を3つご紹介します。

1.労働時間の長さ

美容師の離職率が高い大きな原因のひとつに、労働時間の長さがあげられます。美容師の仕事は労働時間が長い傾向にあり、10~12時間以上働くこともあるようです。

美容室の人気具合や規模によっては、まとまった休憩をとる時間がないこともあります。疲れていたとしてもお客様の前では態度に出さないように注意しながら、明るく振舞わなければなりません。

また、美容師としてのスキルアップを目指す場合には、就業時間外に技術を磨くこともあり、職場で過ごす時間がさらに増えます。

特にアシスタント時代は、就業時間外にカットやシャンプーの練習を行います。慣れない職場で長く過ごすことに疲れてしまうかもしれません。

このように、美容師として働くとプライベートな時間を確保するのが大変なので、耐え切れずに辞めていく人も多いです。

2.給料の低さ

どんなに好きな仕事であっても、給料は生活と直結するため気になるところです。美容師の仕事は、拘束時間が長いわりに給与水準が低めであるため、将来に不安を感じて辞めてしまう人も少なくありません。

厚生労働省の調査によると、理容・美容師の平均月給は25万円程度であり、日本の平均的な給与所得と比較すると低めだといえるでしょう。

特に、アシスタント時代は給与がさらに低いことも多い傾向にあります。

しかし努力を重ねて、美容師として名が売れたり独立して人気サロンになったりすれば、収入の大幅アップを見込めます。最初のうちは収入が低くても、働き方や努力次第で改善できるため、最初の額面のみを見て諦める必要はありません。

出典:「令和4年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)

3.体力的な問題

美容師の仕事は、一見すると華やかそうに見えますが、基本的には立ちっぱなしで行う作業が多く、体力を使います。特に労働の長い職場では、余計に疲れてしまうでしょう。

また、カットやシャンプーなど体を曲げて行う作業も多く、腰痛を引き起こしてしまうおそれがあるため注意が必要です。肌が敏感な人は、パーマ液やシャンプーなどを触ったときに手が荒れてしまうかもしれません。

休憩する時間が短かったり、薬剤の保管・調合スペースがあることで休憩室が狭かったりすることも多いため、休憩中にひと息つくのが難しいこともあるでしょう。

美容師が長続きする人の特徴

ここでは、美容師が長続きする人の特徴を解説します。

忍耐力がある人

美容師として入社すると、最初はアシスタントとして働くのが一般的です。アシスタントの頃は、慣れない環境の中で雑用をこなしながら、空き時間にカットやシャンプーの練習をします。

一人前の美容師になるためには、コツコツと努力を重ねてスキルアップするための忍耐力が必須です。アシスタント時代に忍耐力を培っておけば、美容師デビューしてからの仕事がぐっと楽になるでしょう。

また美容師の仕事は、勤務時間も長く立ち仕事であるため、体力的な側面での忍耐力も必要です。どんなに疲れていてもお客様に悟られないように、笑顔で明るく振る舞う必要があります。

美容室にはさまざまなタイプのお客様が来店するので、いつでも気分よく接客できるとは限りません。そのため、臨機応変な対応力やメンタル面での忍耐力も高いほうが良いでしょう。

コミュニケーション力が高い人

コミュニケーション力が高く、どんな人とでも人見知りをせずに話すことができる人は美容師に向いています。美容師は幅広い年齢やタイプの方を限られた時間の中で対応する必要があるため、コミュニケーション力が欠かせません。

お客様の要望や悩みをしっかり引き出して理想のヘアスタイルを叶えることができれば、信頼関係が構築しやすくなります。指名を増やすきっかけにもなるので、自信もつけやすくなるでしょう。

また、自分自身が上手く話すことだけでなく、お客様の話を聞くスキルも必要です。相手の話に耳を傾ける「傾聴力」をもっている人は、お客様からの信頼を得やすい傾向にあります。指名をたくさんもらえたり、お客様に褒められたりすることで、仕事へのモチベーションアップにつながります。

美容師の経験が活かせる仕事はほかにもある!おすすめの職種

美容師の経験や資格が活かせる職業を3つご紹介します。

美容部員

美容部員とは、お客様の肌悩みやメイクに関する悩みをヒアリングし、一人ひとりに合った化粧品を選んで販売する仕事です。美容師とは異なり、美容部員は国家資格がなくても働けます。

美容部員の仕事は、お客様の美容に関する悩みを解決できるよう、メイクの技術や接客力を求められます。そのため、美容師として働いた経験や知識を活かすことができます。まったくの未経験よりもスムーズに成長できるでしょう。

美容師の仕事が向いていないと感じた方のセカンドステージとしてもおすすめです。

美容部員の仕事については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
美容部員(BA)になるには?必要な資格や経験・適性について知ろう!

ヘアメイクアップアーティスト

ヘアメイクアップアーティストとは、ブライダルサロンや、モデルや俳優の撮影現場などのさまざまなシーンでヘアメイクを担当する職業です。

現場によってはドレスや着物の着付けを任される場合があるものの、基本的にはヘアメイクを扱うことが多いため、美容師時代に培ったカットやセットのスキルを余すことなく使うことができます。

ヘアメイクアップアーティストの仕事をするには、プロダクションに所属して働く方法もあれば、自分で依頼を受けてフリーランスとして仕事をする方法もあります。ある程度の経験を積めば、自分自身のサロンや事務所を経営し、専属アシスタントを雇って大きな仕事に挑戦することもできるでしょう。

フリーランスのヘアメイクアップアーティストは、自由度が高い働き方やたくさん稼ぎたいという方におすすめです。

ヘアメイクアップアーティストの仕事については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
メイクアップアーティストになるには?仕事内容や資格について解説!

アイデザイナー

アイデザイナーは、まつ毛パーマやまつ毛エクステンションなど、まつ毛や目元に関する施術を提供する仕事です。働く場所によっては、アイスタイリストと呼ばれることもあります。

スタイルの流行り廃りはあっても、メイクをする際に目元に重点を置く方は多く、アイデザイナーはどの時代でも需要の高い仕事です。

アイデザイナーは美容師免許が必須とされているため、美容師を辞めた後の次のステップとしておすすめの仕事です。

アイデザイナーの仕事については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
アイデザイナーになるには?必要な資格や向いている人を解説

まとめ

美容師は長時間労働や体力仕事が多く、離職率が高い傾向にあります。美容師の仕事を長く続けていくには、忍耐力やコミュニケーション力を身につけていく必要があるでしょう。

とはいえ、美容師の経験を活かせる仕事はたくさんあります。美容師を目指したい方は、将来の選択肢を増やせるよう、視野を広げておくことをおすすめします。