美容師になるための専門学校に通うのは何年?美容師になるまでの流れを解説

美容師になりたいと思っているけれど、どれぐらいの期間美容専門学校に通えば良いのかわからないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。入学して2年で美容師免許を受験できる学校もあれば、3年かかる学校もあります。今回は美容専門学校に何年通うのかを解説しながら、美容師になるまでの流れや学校選びのポイントを詳しく紹介します。


この記事は約7分で読み終わります。

美容師になるための専門学校には何年通うの?

美容師を目指す場合は、美容専門学校に進学するのが一般的です。美容師として求められる美容理論や技術を学べるのが特徴で、高卒以上の資格で入学できます。

美容専門学校は全国にありますが、パンフレットを取り寄せると、学校によって入学から卒業までにかかる年数には2~3年と違いがあることがわかります。課程によって通学年数が異なり、美容師になるまでの年数に差がでるため、正しく理解しておきましょう。

出典:厚生労働省「理容師・美容師制度の概要等について

昼間課程に通うなら2年以上

昼間課程の美容専門学校の場合は、入学から卒業まで2年以上の年数がかかります。

昼間課程では一般的な全日制の高校と同様に日中に講義が行われ、週5日程度通学するのが特徴です。午前・午後を通して1日4~6コマ程度講義を受けるため、大半の学校は2年で卒業できます。

昼間課程では、教師陣から手厚い指導やサポートが受けられるのが魅力です。日中にじっくり授業を受けられるため知識や技術が学びやすく、国家試験対策にも力を入れています。

また、昼間課程ではバリエーション豊かなコースを設けている学校が多いのもメリットのひとつです。ヘアメイク・ネイル・エステと幅広いコースのなかから、自分の学びたい内容を選べます。

一方で、昼間課程はカリキュラムの内容やサポートが濃いぶん、ほかの課程と比べると学費が高めです。通学費用の目安は2年間で200~300万円程度で、このほかにも入学金がかかります。

夜間課程に通うなら2年以上

夜間課程の美容専門学校の場合は、入学してから卒業するまで2年以上と定められています。

夜間課程は夕方から講義が始まり、週5日程度通学するのが特徴です。1日のコマ数が2~3程度と少ないため、入学から卒業まで2年半かかる学校もあります。

夜間課程は夕方の通学で、日中は働きながら学べるのが魅力です。しかし、夜間課程のある学校はそれほど多くなく、コースのバリエーションも昼間課程と比べると少なめです。

一方で、夜間課程は必要単位数が少ないぶん昼間課程より学費が安いメリットがあります。夜間課程の通学期間全体の費用の目安は、150~200万円程度です。

通信課程に通う場合は3年以上

美容専門学校の通信課程に通う場合は、入学から卒業までに3年以上かかります。

通信課程の場合は、教材を使って自宅で学ぶのが主流です。しかし、まったく学校に通わないわけではありません。「スクーリング」と呼ばれる対面授業に出席するのと、日本理容美容教育センターが行う通信レポートの提出と並行しながら学び、必要な単位を取得します。

通信課程は通学日数が少なく、日中働きながらでも自分のペースで学べるのが魅力です。一方で、技術的な指導を受ける機会が少なく、わからないことを解消しにくいデメリットがあります。

通信課程は卒業までに時間がかかるものの、設備費や人件費がかからない分、通学期間の全体の費用は50~70万円と安く、金銭的な負担が少なめです。

美容専門学校は必ず通わなくてはいけない?

美容師になるには、美容専門学校の卒業資格が必須です。

国家資格である美容師免許は、厚生労働省が認可した美容師養成施設で規定のカリキュラムを修了しないと受験できません。この美容師養成施設にあたるのが、美容専門学校です。

しかし、美容専門学校のなかには、厚生労働省の認可を受けていない学校もあるため注意が必要です。厚生労働省が指定する条件を満たしていない専門学校を卒業しても、美容師免許の受験はできません。「ヘアメイク」や「ビューティー」が名称に入っているからと安易に考えずに、進学先を選ぶ際に認可の有無を確認しましょう。

美容専門学校は高校の卒業資格が入学条件ですが、高校を卒業していない場合は、高等課程のある学校に入って学べば受験資格が得られます。このような学校は「高等専修学校」と呼ばれますが、中学卒業資格で進学でき、高校を中退した方でも美容師を目指すことが可能です。

高等専修学校には昼間課程・夜間課程があり、学科によって通学期間が異なります。美容系の学科では、入学から卒業まで2~3年程度かかるのが一般的です。

美容専門学校入学から美容師になるまでの流れ

ここからは、高校を卒業してから美容師になるまでの一般的な流れをみていきましょう。

出典:公益財団法人理容師美容師試験研修センター「理容師美容師になるためには

【STEP1】美容専門学校で学ぶ

まず、高校卒業後は厚生労働省の認可を受けた美容専門学校に進学します。決められたカリキュラムを修了しないと美容師免許の受験資格が得られないため、しっかり学んで受験に備えましょう。

最終学年になったら、試験対策と並行して就職活動にも取り組みましょう。

【STEP2】国家試験を受験する

美容師免許は、美容専門学校を卒業する直前に受験します。美容師免許は公益財団法人理容師美容師試験研修センターに委託され、年2回開催されています。

2年制の昼間課程では、専門学校2年生の2月に実技試験を、3月に筆記試験を受験するのが一般的です。受検申し込みは、試験の約3か月前から始まります。受付期間が過ぎると受験できなくなるため、スケジュールを確認して計画的に手続きを進めましょう。

美容師免許を取得するには、筆記試験と実技試験の両方に合格する必要があります。どちらか一方が不合格だった場合は、次回受験時に合格している試験が免除されます。

【STEP3】合格したら美容師免許を申請する

筆記試験と実技試験の両方に合格したら、次に必要なのが免許申請です。美容師免許は、合格とともに自動で免許が交付されるわけではありません。自分で免許申請し、美容師名簿に登録をすると美容師として稼働できるようになります。

美容師免許は、下記の書類を添付して申請します。

・免許申請書 1部
・戸籍抄(謄)本か、本籍が記載されている住民票 1部
・精神機能の障害の有無について診断した医師の診断書 1部
・収入印紙(登録免許税) 9,000円分
・登録事務手数料5,200円分の払込票 1部
(※登録免許税や登録事務手数料の金額は2025年1月現在)

申請書類の書式は、合格通知書と申請案内とともに同封されて届きます。戸籍抄(謄)本や住民票は6か月以内に発行されたものを、診断書は3か月以内に発行されたものを用意しましょう。

美容師免許は、申請から1か月前後で手元に届きます。取得した免許は生涯有効なので、氏名や本籍などに変更があった場合はその都度申請して書き換えていく必要があることを忘れないようにしましょう。

出典:公益財団法人理容師美容師試験研修センター「免許に関する申請手続きについて

【STEP4】美容師として働き始める

美容専門学校を卒業したら、美容師として美容室やサロンへ就職して働き始めます。最初はアシスタントから始め、3年前後でヘアスタイリストとしてデビューするのが一般的です。

美容専門学校を選ぶポイント

美容専門学校を選ぶ際はしっかりリサーチして、自分の目標や学び方に合う学校を選ぶことが大切です。課程によって美容師になれるまでの期間が異なるため、将来のビジョンを見据えて検討しましょう。

学校で学ぶ美容理論や技術は、美容師人生を支えます。カリキュラムや学べる内容は、しっかり確認してください。あわせて、試験対策のサポート体制や就職率も調べておきましょう。専門学校卒業後の進路を選びやすくなります。

学校の雰囲気を知りたいなら、オープンキャンパスに参加するのがおすすめです。講師や先輩方から話しを聞けて疑問の解決に役立つだけでなく、通いやすさもわかるので、ぜひ出かけてください。

美容専門学校の選び方については、下記の記事でも解説しています。
美容専門学校の選び方|自分の夢を叶えるためには

まとめ

美容師になるための専門学校には、昼間課程・夜間課程・通信課程の種類があり、卒業までにかかる年数が異なります。カリキュラムや学び方にも違いがあるので、それぞれのメリットとデメリットを良く理解しておきましょう。美容専門学校への入学は、美容師になるための第一歩です。自分に合う進路を選んで、夢の実現を目指してください。

【関連記事】
美容師を目指す人必見!仕事内容と必要な資格・スキルを解説
美容師の仕事ってどんなやりがいがある?メリットや注意点も解説