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【はじめに】美容学校の種類は大きくふたつ
美容学校には学校法人が運営する専門学校と、同業組合立や協同組合立などが運営する美容師養成施設のふたつがあります。
学校法人
文部科学省が許可した学校を運営する公益法人のひとつが学校法人です。より良い教育を提供するために創意工夫することが期待されており、美容学校の多くは学校法人が運営しています。
学校法人が運営している美容専門学校はさまざまな補助金をもらえるため、経営的には安定しています。また、教育を提供することで社会に貢献していることから、税制面などの優遇措置が与えられているのが特徴です。
美容専門学校の中には、認可校と無認可校があります。認可校とは、都道府県知事などによって認可を受けた専門学校であり、無認可校はそれらの認可を受けていない学校のことを指します。
両者の違いを表にまとめたので、選ぶ際の参考にしてください。
認可校 | 無認可校 | |
学割・通学定期券 | 使える | 使えない |
授業内容 | 一定レベル以上 | 学校による |
最終学歴 | 専門学校卒 | 高卒 |
就職支援 | あり | なし |
奨学金 | 使える | 使えない |
大学への編入資格 | あり | なし |
倒産時の対応 | 他校への編入が可能 | 保証なし |
認可校であれば、奨学金を受けながら学校に通えるほか、就職のあっせんを受けることが可能です。また、授業時間や施設、講師に基準が設けられているため、一定レベル以上の授業を受けられるでしょう。
一方、無認可校は、認可校に比べて学費が安かったり、柔軟に授業スケジュールが組めたりするメリットがあります。ほかにも、より実践的なカリキュラムを提供している場合や、高い就職率を誇る学校もあります。
しっかりリサーチし、無認可校と理解したうえで選ぶなら価値はあるでしょう。
とはいえ、将来のキャリアアップや転職のことを考えると、最終学歴が専門学校卒になる認可校のほうが有利なのは確かです。就職先によっては、応募要項を「専門学校卒以上」としているところもあるため、今後の進路を踏まえるなら、認可校をおすすめします。
また、経営危機に追い込まれた場合、認可校であれば都道府県の救済措置があり、他の専門学校への転校や編入をすることが可能です。しかし、無認可の場合、突然閉鎖するリスクがあり、他校への編入ができないのがデメリットです。
認可校と無認可校の違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
専門学校の「認可校」と「無認可校」の違いとは?メリットや見分け方をご紹介
美容学校(美容師養成施設)
美容業界に精通した同業組合立や協同組合立などが運営する学校です。美容業界とのつながりが強いため、現場の情報が得られやすく就職に有利という特徴があります。
ただし、学校法人のなかにも業界との連携が強いところがあるので、就職先などの情報をよく確認してから選ぶと良いでしょう。
美容学校では、基本的に厚生労働省の規定に沿った指導や授業が行われます。一部で厚生労働省の指定を受けていない学校があり、そうした学校では美容師国家試験の受験資格は得られないため注意が必要です。
業界の基準もしくは、学校独自のカリキュラムで運営している学校もあります。美容学校は一律の基準がなく教室の設備や実習器具にはばらつきがあるので、事前に調べておくことが大切です。
【重要】美容専門学校を選ぶ6つの基準
美容専門学校は全国に200校以上あるので、そのなかから自分に合ったところを選ぶのは難しく思えるかもしれません。あとになって、「別の学校にすれば良かった…」という後悔を避けるには、注意深く学校を選ぶことが大切です。
美容専門学校を選ぶ際に押さえておくと良い6つのポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。
1.科目と取得可能な資格
それぞれの学校で選択できる科目は異なるため、どんな科目があるのかしっかり確認しておくことが大切です。
美容業界全体に興味があり、職種を絞れていない場合は、選択科目や取得できる資格が充実している専門学校を選ぶと良いでしょう。
なりたい職業や取りたい資格が明確になっているのであれば、自分の学びたい分野の科目がある学校のなかから選べます。
ほとんどの美容専門学校では資格取得実績を公表していますが、学校によっては合格率の高かった年度の実績だけをずっと掲載していることもあるようです。
合格率の高さだけでなく、最新のデータも反映されているか確認しておくと、資格取得に強い学校を選べるでしょう。
2.学費
美容専門学校の学費は学校によって異なりますが、おおよそ2年間で200~300万円ほどかかります。
決して安い金額ではないので、美容専門学校のパンフレットやホームページで記載されている学費をしっかり確認しておきましょう。
学校によっては、学費として入学費、授業料、施設費だけをホームページに記載していて、実習費や教材費は学費に含まれていないことがあります。学校案内など詳しい資料を確認し、トータルでどれくらいの費用が必要となるのか把握しておくことが大切です。
また、奨学金制度や教育ローンの利用可否を知りたい場合も、学校に問い合わせておきましょう。
3.就職先・就職率
美容学校卒業後の就職先や、就職率などについても確認しておくことは大切です。就職率が高い学校であれば、卒業後の就職先探しで苦労する可能性は低いと考えられます。
卒業生の就職先についても確認しておきましょう。特に働きたい美容室が決まっている場合は、美容専門学校の就職先の実績を確認して、希望する美容室への就職実績があるか調べておくことが大事です。
また、どの分野の職種や業界が強いのか、つながりが強い美容室があるのか、といったことを確認しておくと自分に合った美容専門学校を選びやすくなります。
4.講師
美容専門学校のホームページには講師が紹介されています。専門職のため、指導してくれる講師のスキルを重視して学校を選ぶのもひとつの方法です。
講師を評価する際は、美容師としてのキャリアや技術だけでなく、教え方、学生に対する接し方、人柄などで総合的に判断します。
ただし、キャリアや技術は比較しやすいものの、教え方や接し方、人柄は個人の好みに左右されるため、自分と相性が良い講師かどうかを見極めることが大切です。
もし気になる講師がいたら、オープンキャンパスで実際に確認してみると良いでしょう。
5.学校全体の雰囲気
学校全体の雰囲気は、自分の好みのセンスを磨けるかを左右します。雰囲気の感じ方は人によって異なるものの相性は必ずあるので、どの学校に通うかを決める前に実際に訪れてみるのがおすすめです。
校舎の外観、設備、周辺の環境、学生や講師、授業の雰囲気などを観察し、自分と相性が良いか確認しておきましょう。
6.通いやすさ
自宅から遠い美容専門学校に通う場合、美容アイテムや教材などの荷持の持ち運びが負担になることがあります。
立地や通学の距離などから通学することが体力的に負担にならないか考慮し、学校を選ぶことも大切です。通学の時間が短いと、体力的に楽になるだけでなく、より多くの時間を勉強に使えるといったメリットがあります。
【学び方】学校課程の種類もチェック!
美容専門学校には昼間課程、夜間課程、通信課程の3つの過程があります。それぞれの特徴、メリット・デメリットを紹介しますので、自分に合った学び方を選びましょう。
昼間課程
学び方は一般的な学校と同じで、午前から午後にかけて授業を受けるスタイルです。学校法人の場合は通常2年間、美容専門学校であれば大体1年間で集中的に学べます。
昼間課程のメリットは、カリキュラムの内容が充実していて幅広い知識が身につけられることです。
デメリットとしては、夜間部に比べると学費が高い、学生数が多いので手厚い指導が受けられないことが挙げられます。
まとまった時間を確保できる、幅広い分野に興味がある、着実に知識を身につけたいという方にはおすすめです。
夜間課程
学び方は、夕方から夜間にかけて短期集中的に授業を受けるスタイルになります。昼間課程と比べて半年多い2年6ヶ月の期間で学ぶことが多いです。
夜間課程のメリットは、学費が昼間部に比べて安いこと、昼間に仕事をしながら学ぶことができることです。
デメリットとしては、昼間課程に比べ授業時間が短い、仕事と勉強の両立が大変といったことが挙げられます。
ほかの仕事と学業を両立させたい人や、金銭面での不安がある人は、夜間課程がおすすめです。
通信課程
学び方は、基本的にレポート提出を行い、随時スクーリング(面接授業)を受けるスタイルです。通信課程は一般的に3年間の期間で学びます。
通信課程のメリットは、学費が昼間課程に比べて安い、見習いとして美容室で仕事しながら資格取得が目指せる、家事やそのほかの仕事などとも両立をしやすいことです。
デメリットは、講師からの実践的な指導や授業を受ける機会が少ないことが挙げられます。
金銭面での不安がある人や一人でもモチベーションが維持できる人、自分のペースで学びたい人や社会人になってから美容師を目指す人におすすめです。
【最後に】学校選びは資料・オープンキャンパスでリサーチしよう!
美容専門学校の資料はホームページから無料で取り寄せることができます。カリキュラムや学校行事に関してより詳しい情報が記載されていますので、気になる学校の資料はすべて取り寄せましょう。ホームページからだけでは得られない、学校の強みや特徴を知ることができます。
進学したい学校が絞れてきたら、オープンキャンパスに参加しましょう。
オープンキャンパスは無料で参加ができ、実際の学校の雰囲気や設備の充実度を確かめられます。学生や講師と話す機会があり、気になることはその場ですぐに質問ができるのも大きな魅力です。
日程を確認して積極的に参加することで、自分に合った美容専門学校を見つけることができるでしょう。
まとめ
美容専門学校の選び方について紹介しました。美容専門学校には、認可校と無認可校があります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、将来的なことを考えると認可校が良いでしょう。ほかにも、専門学校を選ぶときは、本記事で紹介した6つの基準をチェックしてみてください。学校選びを行うと、自分に合った学校を選びやすくなるでしょう。
いずれにしてもホームページや資料などで情報収集するとともに、実際に学校に足を運んでみるのがおすすめです。学校を訪問すると、資料やパンフレットにはない情報を得られるほか、学校の雰囲気なども見ることができるので、自分に合うかどうか判断しやすくなるでしょう。