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メイクアップアーティストという職業が厳しいといわれる理由は?
漠然としたイメージではありますが、メイクアップアーティストという職業は厳しいという印象をお持ちではないでしょうか。いったいどのような理由でそのようにいわれるのかについて、詳しくご紹介します。
勤務時間が不規則
メイクアップアーティストの仕事はクライアントに合わせて動くため、勤務時間が不規則になりがちです。例えば、ヘアメイク事務所で働く場合はテレビや雑誌の現場に合わせて早朝から出勤し、帰宅は深夜になることもあります。
翌日も早朝から仕事というケースもあるでしょう。そのため毎日の勤務時間が異なり、生活が不規則になることに厳しさを感じる方もいます。
化粧品メーカーのメイクアップアーティストとして働く場合は、基本的に勤務時間が決められています。しかし、アシスタント時代は練習も必要なので、休日や仕事終わりのプライベートの時間に練習することも多くあるでしょう。
下積み時代は給与が少ない
メイクアップアーティストの道はアシスタントから始まり、下積み時代はスキルを身につけるため給与は低めです。最初のうちは給与が10万円前後からということもあり、拘束時間が長く報酬は少なめです。また、メイクアイテムの購入で出費がかさむこともあります。
メイクアップアーティストとして活躍できるようになれば、映画、テレビ、広告などのプロジェクトに関わり、高額な報酬も狙えます。
しかし、下積み時代は給与が少ないことが多いため、安定的な収入になるまでは実家から通うことも選択肢のひとつになるでしょう。
仕事中は立ちっぱなし
メイクアップアーティストは立ち仕事が基本です。メイクを施すときはモデルの横に立ち回り込む特有の姿勢になるため、足腰に負担がかかります。
また、メイクアップアーティストは現場ごとに相当な数のメイクアイテムを必要とします。移動の負担がかかり、現場ごとの準備や片付けも立って行います。
仕事中はリラックスできるような体勢になることはほとんどないため、長時間の立ち仕事に辛さを感じる方もいるでしょう。
常に技術を磨き続ける必要がある
メイクアップアーティストとして活躍するためには、流行のメイクやトレンドに対応できる方が求められます。流行のカラーや質感など、メイクの変化に常にアンテナを立てて学び続ける必要があり、技術の向上は欠かせません。
トレンドを追うことは楽しい反面、忙しいスケジュールの合間をぬって練習の時間をつくらなければならないため、時には睡眠時間を削らなければならないこともあります。
メイクアップアーティストになるために必要な能力
ここでは、メイクアップアーティストになるために必要な能力をご紹介します。ただメイクスキルがあるだけでは第一線で活躍するのは難しい仕事です。以下のスキルを日頃から少しずつ意識して、磨いていきましょう。
技術力
メイクアップアーティストはモデルやタレントなど、さまざまな方にメイクを施すため、それぞれの肌質や顔立ちを見極めた上で最適なメイク技術が求められます。撮影のコンセプトやクライアントからの要望に柔軟に対応する力が必要です。また、限られた時間内に完了させるために手際良く仕上げる技術力も求められます。
さらに、撮影するカメラの性能や光の加減などを考慮したメイクの技術力も必要です。
コミュニケーション力
メイクアップアーティストはメイクを施すだけでなく、モデルがベストな状態で撮影に臨めるよう環境を整えることも重要です。コミュニケーションは言葉だけでなく、表情やジェスチャーなどの非言語も含まれます。良い作品を作り上げるために、モデルの心情や要望に合わせたコミュニケーションを通じて心地よい雰囲気を作ることが求められます。
また、ディレクターや関係者の意図を正確に汲み取り、スタイリストやフォトグラファーとのコミュニケーション力も求められます。
気配り
メイクアップアーティストはモデルが良い状態で撮影に臨めるよう、細やかな心遣いや気遣いも必須です。撮影やイベント前に会話を通じて緊張を和らげ、場の雰囲気を良くすることにも気を配る必要があります。
気配り上手になるには、相手が求めていることを察する感受性や、要望に応えられるスキルが必要です。周囲の状況やモデルの表情、態度を注意深く観察し、相手が何を求めているかを察知することが大切です。
体力
メイクアップアーティストは働く時間や休日が不規則な仕事です。早朝から深夜まで働くこともあり、長時間立ちっぱなしで準備やメイク、片付けを行います。
メイクアップアーティスト自身が現場ごとにメイク道具を持ち運ぶことも多くあります。スーツケースにいっぱいの荷物がある場合も多いので、移動により体力が消耗することもあるでしょう。どれだけ遠い場所でも時間どおりに到着し、立ちっぱなしで仕事をすることになるため、ある程度体力が求められる仕事といえます。
メイクアップアーティストの将来性
メイクアップアーティストという職業は厳しいと思われがちですが、今後将来性のある仕事としても注目を浴びています。
ヘアメイクの個別サービスの需要が高まっており、一人ひとりに合わせたメイクでライフスタイルを豊かにすることが可能です。近年はさまざまな業界でメイクの需要が広がっています。メイクによって美しさを最大限に引き出すことで気持ちを明るくするセラピー効果は、介護業界や医療業界でも期待されています。
近年は、高齢者向け施設での「メイクセラピスト」も注目を集めており、医療現場では病気やケガでできてしまった傷をカバーする「メディカルメイクアップアーティスト」も登場しています。どちらもメイクを通じて精神的なストレスを癒し、心の安定をサポートする仕事です。従来のメイクアップアーティストとは異なり、外見の美しさだけでなく、内面的な癒しや前向きに生きるきっかけになります。
メイクアップアーティストの活躍は今後ますますさまざまな業界で広がっていくでしょう。
まとめ
メイクアップアーティストは華のある仕事にみえますが、下積み時代は年収が低いことや、立ち仕事が基本なので体力が必要になることに厳しさを感じるかもしれません。
しかし、スキルを磨いて一人前のメイクアップアーティストになれば、さまざまな舞台で活躍でき、年収アップも十分狙えます。
「モデルの魅力を最大限に引き出したい」「モデルの魅力や美しさを引き出し、やりがいを感じたい」という方は、ぜひメイクアップアーティストを目指していきましょう。