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エステサロンを開業するのに資格や許可は必要?
まずは、エステサロンの開業に必要な資格や許可について解説します。
スキルがあればエステサロン開業に資格は不要!
エステサロンを開業するのに、特別な資格は必要ありません。エステティシャンとしての経験年数によらず、資金とスキル、やる気さえあれば開業できます。
エステティシャンとは、お客様の肌や体型の悩みをカウンセリングし、手指や美容機器を使うケアで美しく整えるのが仕事です。美容師のような国家資格が存在しないため、美容業界の仕事のなかでも独立・開業を目指しやすく、将来性があります。
開業すれば施術メニューやサービスの内容、経営方針をすべて自分で決められて、こだわりのサロンを作れるのが魅力です。ワークライフバランスのとれた自分らしい働き方もでき、可能性が広がります。
ただし、サロン経営が成功するかは未知数です。エステ業界は新規参入する店舗が多く、競争が激しい傾向にあります。開業後にサロンが軌道に乗るか、長く続けられるかは本人の力量次第です。
特別な資格・許可が必要なくても、エステサロンの開業には技術や接客スキルの習得が大前提です。サロンオーナーとしての経営スキルや顧客管理の能力も求められます。将来的に開業を目指す場合は、早い段階から準備を始めましょう。
施術内容によっては資格・許可が必要になることも
エステサロンで提供するサービスによっては、特定の資格や許可が必要になる可能性があります。
例えば、施術メニューにまつ毛パーマやまつエクがある場合は、国家資格の美容師免許が必要です。2008年から、まつげに関する施術は「美容行為」にあたるとされていて、美容師でないとできません。保健所には開業前に「美容所」としての届け出が求められます。
フェイシャルケアの一環で顔の産毛をシェービングする場合は、国家資格の理容師免許と理容所の届け出が必要です。同じフェイシャルに関連するサービスでも、眉毛カットは美容師免許がないとできません。
必要な許可を受けずに無届出で営業すると、法律違反に問われる可能性があります。特定の資格・許可が必要かどうか、サロンを開業する前にしっかりリサーチしましょう。
出典:「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」(厚生労働省)
エステサロンの開業に必要な資金と費用の目安
エステサロン開業に準備しておく費用の内訳は、下記の通りです。
・物件取得費
・サロンで使う物品・備品の購入費
・エステ用美容機器の購入費
・広告宣伝費
・開業後の運用費
事業計画を立てるためにも、予算を知っておくことは大切です。それぞれの内容やおおむねの目安をみていきましょう。
物件取得費
店舗を取得するためにかかる費用で、敷金・礼金・契約金・建設費のほか、内装工事費も含まれます。
物件取得費は、サロンの営業形態によって費用が異なります。エステサロンは個人の自宅を使っても開業でき、賃貸物件を店舗にするほか、テナントを借りる選択肢もあるからです。
営業形態の違いによる物件取得費の目安は、次の通りです。
・自宅サロン:70万円前後
・賃貸型:200万円前後
・テナント型:520万円前後
なお、エステサロンの営業形態については下記の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
「エステで独立!開業費用や独立を成功させるためのポイントも解説」
サロンで使う物品・備品の購入費
エステサロンで使う機材や家具、備品などの購入費用です。
提供するサービスの内容やサロンの規模に左右されるものの、一般的に下記の物品が必要とされます。全体で数万円から20万円程度の予算とみておきましょう。
・施術用ベッド
・PC
・会計機材
・ソファ・テーブルなどの家具
・ホットタオルキャビネット
・冷蔵庫・エアコンなどの電化製品
・お客様用の食器類
・タオル類
・お客様用ローブ
・お客様用スリッパ
・化粧品・オイル
・インテリアグッズ など
エステ用美容機器の購入費
施術に使う美容機器を購入する費用です。
サロンで提供するサービスの内容によって、次のような機材が必要です。一般的に美容機材は高額で、1台10万~100万円かかる機材もあります。
・フェイシャル用マシン
・ボディ用マシン
・スチーマー など
多彩な美容機材を用意すればメニューのバリエーションが増え、集客に役立ちます。一方で、機材の購入費用で予算をオーバーすると売上が低下する原因になりやすいので、慎重に検討しましょう。
広告宣伝費
サロン開業にともない広告宣伝に使う費用で内訳は、下記の通りです。
・ホームページ作成費
・ポータルサイトへの掲載費
・チラシ作成費 など
集客は新規でエステサロンを開業する際の重要課題です。営業エリアでの認知度を高めるために、数10万から200万円程度の費用をかけるサロンもあります。
広告宣伝費を抑えたい場合は、SNSを活用するのもひとつの手です。LINE・Instagram・FacebookなどのSNSで情報発信すればサロンのブランディングにもなり、効率良く集客できます。
開業後の運用費
開業後に毎月かかる費用も資金にいれて予算を組む必要があります。
サロンを開業したからといって、すぐに収益が上がるわけではありません。営業を開始すると次の費用は日々かかるため、開業前に確保しておきましょう。
・毎月の賃料・水道光熱費
・化粧品・オイル・ウェルカムドリンクなどの消耗品にかかる費用
・制服のクリーニング費用
・雇用するスタッフの人件費 など
運用費は、少なくとも6か月分を用意しておく必要があります。消耗品だけでも毎月5万円以上かかると考えてください。
エステサロンの開業準備をする際に大切なこと
エステサロンの開業準備で大切なのは、次の3点です。
・開業の準備段階から経営戦略を立てる
・無理のない事業計画・資金計画を立てる
・経営者としてスキルを磨く
独立する以上、利益を出し続けるエステサロンを目指す必要があります。開業前にしっかり準備して、経営を成功させましょう。
開業の準備段階から経営戦略を立てる
エステ業界は競争が激しいため、開業前にサロンのコンセプトをしっかり決めておく必要があります。周辺の競合店と差別化できるか、客層やサービス面でより優位に立てるかを検討して、作りたいサロンの姿を具体化しましょう。
狙うターゲット層にあわせてサロンの立地、物件を選ぶことも大切です。競合に勝つためにオリジナルメニューを開発して、ニーズに合うサービスを提供するのも意識してください。
成功のポイントは、積極的な集客です。SNSの宣伝やキャンペーンを計画するなど、開業前から広告宣伝に取り組みましょう。
無理のない事業計画・資金計画を立てる
事業計画とともに、資金計画をしっかり立てましょう。予算の見積りが甘いと開業してから資金不足に陥りやすいため、サロンに必要な機材や物品を厳選してください。新品より中古を選び、無駄を省くのもひとつの方法です。
資金不足なら使える助成金や補助金を活用するほか、金融機関からの融資も検討してください。実現可能な事業計画を立てれば、融資の審査に通る可能性が高まります。
経営者としてスキルを磨く
サロン経営を成功させるには、接客スキルやコミュニケーション能力が必須です。マナー講座や業界団体の勉強会などにも参加して、積極的にスキルを磨きましょう。サロン経営者になるなら、経理や税金関連の勉強も欠かせません。
開業前に余裕があれば、資格取得も検討しましょう。日本エステティック協会(AJESTHE)・日本エステティック業協会(AEA)・日本スパ・ウエルネス協会などの資格を取得しておけばお客様からの信頼を得やすく、集客に役立ちます。あわせて、従業員教育も徹底してください。
エステサロンの開業を目指す方法
将来的にエステサロンの開業を目指すなら、エステティシャンとしての技術を磨くところから始めましょう。独学・通信講座・専門学校と、学び方はさまざまです。
エステサロンに就職して、実地で学ぶことも大切です。実際の現場を知り、経験を重ねると自分でも経営戦略が立てられるようになります。開業するためにマネージャー経験を積むのもおすすめです。
将来的な独立を考えているなら、美容専門学校で学ぶのが開業の近道です。プロの講師からエステの美容技術や理論のほか、学校によっては経営ノウハウも学べます。フランチャイズ方式で、独立開業を支援しているエステサロンを就職先に選ぶ選択肢もあります。
まとめ
エステサロンは、特別な資格や許可がなくても開業できます。店舗となる物件の確保や運営費にある程度の資金を用意しておく必要があるため、早い段階から準備を始めましょう。サロン経営を成功させるには、エステティシャンとしての技術や経営者としてのスキルが欠かせません。美容専門学校や実地で学んで、理想のエステサロンの開業を目指してください。